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VICアカデミーを開催しました

2021年 01月 26日

VICアカデミーとは、弊社理念にある「学習と成長」の実践の一つとして開催している
VIC社員及び関係者のための勉強会です。
■テーマ:「研修講師の使命と研修の本質」
■スピーカー:株式会社ソシオテック研究所 三上登相談役(創業者)

【株式会社ソシオテック研究所】
1991年に産業能率大学にいたメンバーが中心となり設立。日本の大企業の人材育成に関するコンサルテーションと
研修を行っている。ソシオテックグループ(株式会社バリューイノベーション、株式会社経営科学センター)の中核会社

 【プロフィール】
 1976年 :カリフォルニア州立大学ロスアンゼルス校大学院産業心理学科卒業
 1978年 :ペッパーダイン大学大学院組織開発学科卒業
 1978年~1979年:マサチューセッツ工科大学 リサーチフェロー(スローン・スクール)
 1983年 :学校法人産業能率大学にて国内企業コンサルティングに携わる
 1991年 :株式会社ソシオテック研究所代表取締役社長

今回は事前に参加者から質問を募り、それに答える情報バザール形式で進めました。

Q: 講師・コンサルタントとして大切にしていることはなんですか?
A: まずはじめに、研修講師とコンサルタントを分けて考える人がいるが、研修講師とコンサルタントは100%
イコールであり、本質は同じである。行動するのは受講生でありクライアント。彼らが「これはよい考え方だ、これは
やらなきゃいけない」と思えるようにサポートするのが講師・コンサルタントの使命である。
★大切にしていること2つのこと
1. 目的を明確にする
この研修・コンサルテーションは一体何のためにやっているのか。目的が明確でないと成り立たない。
常に目的が何かを自分に問いかけている。
2. 相手を動機づける(行動に結びつける)
研修・コンサルテーションを受け、「これはやらなきゃ」、「やりたい」、「やってみたい」、と思う気持ちをつくる。
そのためには「理解してもらう」ための技術・技能と「動機づける」ための技術・技能が欠かせない。

Q: 研修効果を高めるためのアドバイスをお願いします。
A:受講生、クライアントを知ること。我々の仕事の本質は常に現場から始まる。現場というのはお客様に一番近い場所、
商品に一番近い場所、その会社の従業員に一番近い場所である。その現場に足を踏み入れ、彼らの思い(気持ち)
を汲み取り信頼関係を築くこと。一番重要なのはどのように納得をつくるかを考え、プランニングすること。現場の状態や
気持ちを理解し、受講生が何を求め、何を考えているかを知らなければいい研修、いいコンサルテーションはできない。

Q: 講師・コンサルタントにとって重要なスキルはなんですか?
A:常に自分を磨くことが重要になる。我々にとって最も大事なのは「言葉」。言葉の「定義」をはっきりさせることが
「言葉の力」になる。だから本を読んだり、人の話を聞くことなも大切だが、誰かが言ったことをそのまま伝えても存在感はない。
自分はどう思うのか、どう表現できるのかを考える必要がある。それが講師・コンサルタントのスタンスになり、そのスタンスが
「言葉の力」を生んでいく。
A:講師・コンサルタントは聴く力がないと効果をあげることはできない。
例えば研修の中で、受講生は「何が分からないのか」「何を一番聞きたいのか」を、質問しながら自分の中で反芻している。
相手の話をよく聴き、「あなたの考えはこういうことか」と更に質問を投げかけることで、それを聞いている他の受講生にも考える
機会を与えることになる。グループワークでうまく議論が
できていない場合も、的確な質問を投げかけることでよい方向に動く。「質問する」ことは、大きなインターベーションの
技術である。

Q: 研修の場づくりのポイントはなんですか?
A: 研修の導入部分の5分?10分は合意形成のためにある。今日、この研修が終わった時に、受講生は
どうなっていたら満足なのか、何を期待して、何のためにこの研修を受けているのか。自分は受講生に何を
持ち帰らせるのか、その目的を明確にし、双方の合意が生まれるかどうかはこのわずか5分間をどうつくるかによって決まってくる。
そこで合意形成ができると、研修は一体感を増し、よりよい時間をつくることができる。

Q: 今回の新型コロナの影響で、研修はどうかわりますか?
A: 講師としての基本スタンスはオンラインでもリアル(集合)でも全く違いはない。オンラインでは個性が出ない
といった話をよく耳にするがそんなことはない。
オンラインにはオンラインの良さがある。ある意味ではリアルよりも密着している。
一人ひとりに注目できるからこそ、それに対する工夫は必要になる。オンラインだからといって座って話すのではなく、
画面の向こうまで熱い思いが伝わるように情熱的に話すことが大事である。

■最後に
講師・コンサルタントは自己肥大に陥りやすいが、我々の仕事は常に受講生あるいはクライアントが主体であり、講師が
主役ではないことを肝に銘じてほしい。